第23回記念公演 能楽若手研究会大阪公演 「若手能」
平成26年1月18日(土) 午後1時開演(開場12時) 於 大槻能楽堂
演目
◆ 観世流 能 「羽衣(はごろも)」
シテ(天女) 水田 雄晤
ワキ(白龍) 江崎 敬三
笛 斉藤 敦
小鼓 久田 陽春子
大鼓 亀井 洋佑
太鼓 上田 慎也
後見 大槻 文藏 多久島 法子
地謡 山本 麗晃 山田 薫
上野 雄介 井内 政徳
今村 嘉太郎 井戸 良祐
齊藤 信輔 林本 大
ある春の朝、駿河国(現在の静岡県)三保の松原に住む漁師・白龍は、釣りに出かけた際に松の枝にかかった美しい衣を見つける。白龍が持ち帰ろうとすると女性が現れて声をかけ、自分は天女で、その衣は天人の羽衣であるので返して欲しいと頼む。白龍は初め聞き入れないが、「羽衣なしには天に帰れない」と嘆き悲しむ天女の哀れさに心を動かされ、天女が舞を舞うことで羽衣を返すこととする。
天女は喜び羽衣を着け、月世界における天女の様子や,三保の松原の春景色の美しさを讃えた舞を舞い、天地を祝福し数々の宝を与え、やがて富士の高嶺へと舞い上がり、ついには大空の霞みにまぎれて消えていくのだった。
◆ 大蔵流 狂言 「蝸牛(かぎゅう)」
シテ(山伏) 善竹 隆司
アド(主) 善竹 忠亮
アド(太郎冠者) 上吉川 徹
笛 斉藤 敦
小鼓 古田 知英
大鼓 亀井 洋佑
後見 善竹 徳一郎
長寿の薬になるというカタツムリを探して来いと主人に命じられた太郎冠者。しかし太郎冠者はカタツムリを見たことがなく、主人から「薮にいて、頭が黒く、腰に貝を付けていて、時々は角を出し、大きいものは人ほどもある」と教えられます。薮に入った太郎冠者は、そこで寝ている山伏に出会うのですが……?
◆ 観世流 能 「邯鄲(かんたん)」
シテ(盧生) 長山 耕三
子方(舞童) 長山 凛三
ワキ(勅使) 喜多 雅人
ワキツレ(大臣) 矢野 昌平
ワキツレ(輿舁) 福王 知登
ワキツレ(輿舁) 中村 宜成
アイ(宿主) 泉 愼也
笛 赤井 要佑
小鼓 上田 敦史
大鼓 森山 泰幸
太鼓 大川 典良
後見 観世 喜之 立花 香寿子
地謡 上田 顕崇 笠田 祐樹
上野 朝彦 今村 哲朗
山中 雅志 久保 信一朗
吉井 基晴 長山 桂三
中国古代の話。人生に疑問を持つ若者・盧生。彼は仏道の師を求めて旅をする途中、邯鄲の里で雨宿りをする。その宿の女あるじが、かつて仙人を泊めた時に御礼に与えられた不思議な枕を見せて勧めるので、借りて昼寝することになる。すると、楚の皇帝からの使いが来て盧生を起こし、帝位を盧生に譲ると告げる。宮殿に案内されて即位する盧生。栄華を極めていると、気付けば即位五十年の酒宴の場。童子の舞を見て興に乗り、自分も舞っていると、ふと宿の女あるじに起こされる。
全ては粟の飯が炊けるまでの、短い夢の中の出来事だったのだ。初めは茫然としていた盧生だが、人生を悟り、心安らかに故郷に戻るのだった。