第32回 能楽若手研究会大阪公演 「若手能」

2024

2024

2024年1月20日(土) 午後1時開演(開場正午) 於 大槻能楽堂

【若手能事前講座】
本公演で主役を勤める役者が演目を分かりやすく解説いたします
2024年1月20日(土) 午前11時開演(開場10時) 於 大槻能楽堂

お問い合わせ

若手能実行委員会
Tel.090-4365-2422(電話窓口のみ)

演目

◆ 能「忠度」(ただのり)

平忠度の霊・須磨浦の老人 /高林 昌司
旅僧 /喜多 雅人
須磨の浦人 /善竹 隆平
小鼓 /成田 奏 
大鼓 /山本 哲也
笛 /貞光 智宣
後見 /松井 俊介  高林 呻二
地謡 /狩野 了一  金子 敬一郎  佐々木 多門
    佐藤 寛泰  大島 輝久  狩野 裕一

忠度
 平安歌人・藤原俊成に仕えた者たちが、主君亡きあと出家し須磨を訪れる。
そこへ老翁が歩み寄り、一本の桜のもとに足を止める。
宿を借りたい旨を伝えると、老翁はこの桜こそ至上の宿といい、一首の歌を口ずさむ。
『ゆきくれてこのしたかげをやどとせば はなやこよひのあるじならまし』。
俊成の弟子にして一ノ谷の合戦で落命した平忠度の辞世の句であり、
この桜は彼を弔うためのものだった。
供養を求めつつ老翁は自分こそが忠度とほのめかし姿を消す。
 夜を迎えた僧たちの夢枕に、忠度の霊が再び現れる。
 『千載集』に自身の歌が載るも朝的の身ゆえ<読み人知らず>とされた悲しみを述べる。
都落ち途上に引き返して俊成に歌を託したことを語り、
辞世の句をしたためた矢を挿して戦った最後の戦闘を再現する。
夜明けとともに俊成ゆかりのあなたたちと話したかったのだと、
さらなる回向を頼みつつ消えていった。
 美しさ、儚さ、勇猛さ、悲しさ、一曲のうちにたくさんのものが詰まった本曲。
難易度の高い曲ですが、精一杯挑戦したいと思います。
文責・高林 昌司

◆ 狂言「栗焼」(くりやき)

シテ(太郎冠者)/小西 玲央
アド(主人)/上吉川 徹
後見 /善竹 隆平

栗焼
 太郎冠者は、買い物の四十個の栗をやくように主人から命じられる。
切れ目を入れるのを忘れてはねさせたり、焦がしそうになったりするが、どうにか全ての栗を焼き終わり皮を剥く。
しかし焼きあがった栗があまりに見事なた為、何かと理由をつけてひとつ、またひとつ食べてしまい遂には全てを平らげてしまう。
 困った太郎冠者は、主人に『三十六人の竈の神親子に栗を進上してしまった』と言い訳するが…。
 理屈を付けながら食べてしまう太郎冠者の気持ちや珍妙な言い訳に共感と笑いが誘われます。
 栗を焼き始めてから食べ終わるまでの独演が非常に特徴的な演目で、目の前で栗が跳ねたり転がっている情景がはっきりと見えるよう、
全神経を集中させて舞台に挑みます。
文・小西 玲央

◆ 能「葵上」(あおいのうえ)

六条御息所ノ怨霊 /上野 雄介
巫女 /笠田 祐樹
横川ノ小聖 /福王 和幸
臣下 /中村 宜成
臣下ノ下人 /善竹 隆司
小鼓 /上田 敦史
大鼓 /山本 寿弥
笛 /斉藤 敦
太鼓 /中田 一葉
後見 /上野 朝義  上田 宣照
地謡 /上田 拓司  齊藤 信輔  林本 大   山田 薫
    上野 朝彦  上田 顕崇  山本 麗晃  梅若 雄一郎

葵上
 光源氏の正妻となった左大臣の娘葵上は最近、物の怪に悩まされていました。
物の怪の正体を知るべく院の臣下(ワキツレ)が照日の巫女(ツレ)に口寄せさせていると、一人の女性(シテ)が現れます。
彼女はかつて葵上に辱めを受けた六条御息所の生霊だと明かし、自ら抱える辛い思いを吐露し始めます。
そうする内に感情の高ぶる御息所は葵上を責め苛むと、彼女を冥土へ連れ去ろうと言い出します。
するとそこへ鬼女の姿となった御息所の生霊が現れ、なおも葵上を害しようとします。
臣下は急いで横川の小聖(ワキ)を招き、怨霊退治の祈祷を始めます。
 しかし鬼女は小聖の法力の前に力尽き、再び現れないと誓いを告げ、心和らぎ成仏を遂げたのでした。
 タイトルである葵上は役として舞台に登場せず、舞台先に一枚の小袖を出す事で寝込んでいる様子を表現しています。
六条御息所の抑えきれない感情や、横川の小聖との戦いの場面など見どころが沢山ありますので皆様に伝わるよう、全力で演じたいと思います。
文・上野 雄介


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